今回は弊社プレスリリース
「人の価値観」と「年収」の相関関係が明らかに
大企業が欲しがる“イノベーター人材”の出現率はわずか10%
に関する補足記事です。
弊社のクライアント様から
・新規事業を任せられる人材を発掘したい
・若手を抜擢したいが、良い人材を見つけられる方法はないか?
と、ご相談いただくことも多いです。
現在、様々なアセスメント方法がありますが、今回は実際の5000人+αの調査データから「活躍人材」の価値観について分析してみます。
社会全体における"活躍人材"は「イノベーター」タイプ
今回、弊社が独自に開発した、データ分析により未来を予測するための「適性診断」を分析に利用します。この適性診断では、人の価値観を8タイプ(4タイプ×4タイプ)に分類することができます。
弊社プレスリリースでの報告の通り、5000人の調査結果より、社会全体では「価値観」と「活躍」(=年収)には、以下の関係があることがわかりました。
・20代は「専門家」(内省×論理)タイプ、30代は「指導者」(外向×論理)タイプが活躍しやすい
・「イノベーター」(創造×結果)タイプは平均年収が最も高い(他タイプより約50万円高い)が、社会全体では約10%しかいない
・ITベンチャー創業社長は、ほぼ全員「イノベーター」(創造×結果)タイプ
※データの詳細はプレスリリースをご覧ください。
この結果から
・ITベンチャー創業社長に"共通する価値観"を定量化できた
・新規事業立ち上げに適性のある価値観を持つ人を発掘できる可能性がある
ということがわかります。
会社によって"活躍人材"は異なる
先ほどの結果は「社会全体」における結果でした。次に、「個別の会社」ごとの結果を見てみます。
以下のグラフは、同じ業種のA社とB社において、4つのタイプにおける「高評価者」「普通評価者」「低評価者」の出現割合を比較した結果です。
・A社(左側)は「イノベーター」(創造×結果)タイプだと、54%が高評価
※次点は「クリエイター」(創造×調和)タイプで、37%が高評価者
であるのに対し、
・B社(右側)は「エクスパンダ―」(安定×結果)タイプだと、50%が高評価
※次点は「サポーター」(安定×調和)タイプで、37%が高評価者
であることがわかります。
この結果から
会社のカルチャーによって「活躍できる人材タイプが異なる」
※カルチャーフィットも重要である
ということがわかります。
そのため、自社における活躍人材を多く採用するためには、
自社ではどの人材タイプが"活躍"しているのかを定量化・可視化する
ことが重要になります。
※定量化・可視化の際には「高評価者」と「低評価者」の差に注目しないと、正しい分析にならないため注意してください。
ITベンチャー企業は"活躍人材"に傾向がある
「自社内の人材の定量的な分析が重要」というお話をさせていただくと、「自社では人数が少ないため分析ができない、、」と言われる企業様も多くいらっしゃいます。
この場合、”近しい特徴を持つ複数の企業をまとめて分析”することで、自社における活躍人材を定量化できる可能性があります。
現在、弊社で開発中の「ITベンチャー向け適性診断」で分析した結果、ITベンチャー企業で活躍しやすいタイプは「論理」(専門家タイプ・指導者タイプ)や「結果」(イノベータータイプ・エクスパンダ―タイプ)の価値観が強い人であることがわかりました。
※ただし、いくつかの条件下では、活躍するタイプが変化することもわかっています。
まとめ
今回、弊社独自の適性診断を用いて分析したところ、
・新規事業立ち上げに適した価値観は、定量化できる
・会社によって、活躍できる人材タイプは異なる
・ITベンチャーなど業界によって、活躍できる人材タイプに共通項もある
ということがわかりました。
人材タイプを定量化することで、「配置」や「マネジメント」にも生かすことができるというお声をいただいており、HR戦略を科学的に改善していく取り組みが今後ますます進んでいくなという実感を持っております。
みなさまの会社では、どのように人材の分析を行われていますか?ぜひご意見いただけますと幸いです。
※弊社サービスでは、独自の適性診断を【期間限定無料】(人数無制限)で受診していただくことが可能です。もし従業員の価値観データを集まっていない場合には、ぜひこの機会をご利用いただければ幸いです。(お問い合わせはこちら)
※執筆者:塚本鋭
東京大学・大学院において、機械学習や大規模シミュレーションに関する研究に従事。人工知能学会研究会優秀賞・東京大学工学系研究科長賞(総代) 等を受賞。 大学院修了後、株式会社野村総合研究所にコンサルタントとして入社し、ICT・メディア領域を担当。2013年1月より株式会社クラウドワークスに8番目の社員として参画し、2014年12月に上場を経験。データ分析・産官学連携を軸としながら、B2B事業立ち上げ、カスタマーサポート部門立ち上げ、子会社副社長等を歴任。2018年より現職。