この記事は「人事の6つのニーズに応える 攻めのHRデータ活用」を前後編の2回に分けてお届けしています。前編は「1.ハイパフォーマー人材を採用したい!」「2.早期退職者を減らしたい!」「3.優秀な社員を辞めさせたくない!」といった「採用」や「退職」についての3つのニーズに対して、HRデータ活用法をお伝えしました。後編となる今回は、TRANS.,inc.で社会人インターンをしているHR tech初心者の筆者が、HRデータを活用した、「チームの相性」と「異動」についてお伝えします。
1.ハイパフォーマー人材を採用したい!
2.早期退職者を減らしたい!
3.優秀な社員を辞めさせたくない!
*1~3の記事は こちら
4.成果が出る上司の元で働いてほしい!
5.適切な配属でチームの成果を高めたい!
6.パフォーマンスが上がる異動をさせたい!
人事から良いチーム(組織)をつくるには?
「HRデータをどう使うのかわからない」あなた向けに、人事領域の6つのニーズに対するHRデータ活用方法をお伝えします。
後編では、「チームの相性」と「異動」についての3つのニーズを満たすHRデータ活用を行っていきます。
4.成果が出る上司の元で働いてほしい!
「優秀な社員が入ってきたけど、だれの元で働いてもらうのがいいのだろう・・・」と考えたことはないでしょうか。
企業で実施している適性検査などのHRデータを使って、新入社員を誰の元に配属するのがよいかを判断することができます。
D社で実施していた適性診断の結果を用いて、上司と部下の「性格の一致率」は「評価」にどの程度影響を与えているのか?を考えていきます。
「上司と部下の性格の一致率」(0%(全く違う性格)~100%(全く同じ性格))を計ると、上司と部下では「一致率」が60~70%の時、一番評価が高いという結果が得られました。
この結果から「上司と部下の性格の一致率」と「平均評価」には関係性がある、ということが分かります。
今回の場合は、上司との性格が「近すぎず、また、遠すぎない人」がもっとも評価が高くなるということがわかりました。企業によっては似ている人の方が評価される場合もあるので、自社の傾向を調べてみることが大切です。
これらの結果から上司と部下の性格の相性は評価に大きく影響するため、上司との性格の相性を考慮して部下の配属を行うと部下のパフォーマンスを向上させることができる、と考えられます。
5.適切な配属によってチームの成果を高めたい!
近年、「チームの多様性」を大事にする考え方が注目を集めています。 実際、多様性はチームにどのような影響をもたらすのか、またどのような成果につながるのかを分析してみましょう。
チームの評価=マネージャーの評価とし、考え方の多様性の高さによって、チームの評価がどれくらい変わるか、を見ていきます。
すると、「多様なチーム」の方が、短期的にも、長期的にもチームの成果が高いことが分かりました。
この結果から、チームの多様性はチームの成果に影響を及ぼすということが考えられます。
適切な配属によってチームの成果を高めたい!と考える場合には、まずは、チームにどのようなタイプ(考え方)の人がいるのか・活躍しているのか を可視化したうえで、似た考え方の人が集まりすぎないようにチームを組んでいくことが大切になります。
6.パフォーマンスが上がる異動をさせたい!
部署異動をすることは、果たして成長につながるのか、異動した人の成果が上がるかどうかを見ていきましょう。
E社では、全社員の異動した後の評価について調べていきました。
すると、異動後にパフォーマンスが高い人(高評価)と、そうでない人(低評価)には5つの性格に差が出るという結果がでました。
このように、異動してパフォーマンスが高くなるタイプと、そうでないタイプには特徴があることが分かりました。
例えば、「達成意欲」が高い人は、新しい環境で対応しなければならないことも増えるため、異動させると結果を出しやすくなる可能性があります。
また、「持続性」が高い人は、異動させずに、同じ場所で働いた方が結果を出しやすくなる可能性があります。
パフォーマンスが上がる異動をさせたい!と思う場合は、過去の異動後の評価を確認、分析し、異動後にパフォーマンスが高くなる特徴を持つ人の異動を検討することが大切になっていきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。前編の「採用」や「退職」に続き、今回は「チームの相性」と「異動」について、HRデータを活用法を下記のようにお伝えしてきました。
成果が出る上司の元で働いてほしい!
上司との性格の相性は評価に大きく影響するため、上司との性格の相性を考慮して配属を行う
適切な配属でチームの成果を高めたい!
チームでどのような考え方の人が活躍しているのかを可視化し、似た考え方の人が集まり過ぎないようにチームを組んでいく
パフォーマンスが上がる異動をさせたい!
異動後にパフォーマンスが高くなる特徴を持つ人の異動を優先的に行う
前後編とおして、人事領域の6つのニーズに対するHRデータ活用方法をお伝えしてきました。HRデータの活用に興味を持っていただけましたでしょうか?
人事から会社をより良くしたい!と考えておられる人事担当者や経営者の方々は、いきなり手を動かすのではなく、まず、目的に応じてデータを整理し、可視化してみてください。そこから、見えてきた傾向から仮説を立て、解決策を見つけてみてみてはいかがでしょうか。
「うちの会社はこんなことに困っている」「何から手を付けたらよいかわからない」という方はぜひ弊社にお問い合わせください。
※「チームの相性」や「異動」の分析する場合、AI(機械学習)を使うと、より網羅的に、精度が高い予測が可能になります。ご興味を持っていただけた場合にはこちら よりお問い合わせください。